塔の27層。
そこは**「誰にも読まれなかった記事」たちが集められる階層**。
……いや、集められたというか、ひとりで勝手に来て、勝手にうずくまってる。
🧔♂️「うわっ…まじで誰もいないじゃん。
塔ってこんなに、静かだったっけ…?」
💁♀️「ほぼ“文化祭の翌朝の体育館”じゃないこれ」
🤖「ここは“いいね0地帯”でぴ。
共感もリアクションも届かなかった投稿が、そっと息を潜めている階層でぴ」
そこにあったのは、“俺だけが面白い記事”だった
1記事目:
『理想の室内干しルートをRPGで再現してみた』
🧔♂️「いやこれ、俺は超笑ったんだけどね!?
誰も読まなかったんだよ、びっくりするくらい」
💁♀️「室内干し×RPGってニッチすぎるのよ」
🤖「検索ボリューム:8。うち7は投稿者本人でぴ」
2記事目:
『ブログのカテゴリに名前つけてみた(中二病ver.)』
💁♀️「“財の領域:セミリタイア族”はさすがに誰もついてこれないわよ」
🧔♂️「いやでもさ!伝わると思ったんだよ、あのときは!」
🤖「“自分だけ楽しい”ゾーンは、“伝わらない地雷原”と地続きでぴ」
それでも、なぜか捨てられない記事たち
シュンタは静かに、アクセスゼロ記事を手に取る。
🧔♂️「……でも、これ書いてるとき、めっちゃ楽しかったんだよな」
💁♀️「それ、けっこう大事なことなんじゃない?」
🤖「いいね0でも、“筆が走った記憶”があるなら、それは投稿者のバフ記事でぴ」
ソフラン様、再来──からの意外な一言
布のすれる音。
またしても白く、詩的で、語彙に満ちた女が現れた。
🧼「あなたが見ていた“読者”は、
本当は“あなた自身”だったのかもしれませんわね」
🧔♂️「……え、それってつまり?」
🧼「誰かに伝えたくて書いたように見えて、
ただ“自分の熱”に触れてほしかった──
そんな文章、誰にだってありますもの」
💁♀️「……それが“いいね0”だったとしても?」
🧼「“反応がなかった”のと“意味がなかった”のは、違いますわ」
🤖「かっけぇ。今回、語彙の刀が冴え渡ってるでぴ」
投稿者、覚醒しかける(ただし一瞬)
🧔♂️「……そっか、届かなかったからって、書いた価値がゼロなわけじゃないんだな」
💁♀️「その記事がなきゃ、今のあんたは書けてないでしょ」
🧔♂️「うぉぉぉ…やる気出てきた!
ブログ界のウォーミングアップ記事、全力で書いてやる!!」
🤖「フラグ感すごいでぴ。たぶんまた迷うでぴ」
🧼「それでも、また書けばよろしいのです。
熱き言葉に、拍手はなくとも――あなたは確かに、生きていた」
💁♀️「詩的に締めたけど、
次の記事タイトルが『投稿の塔 第28話』とかだと、一気に現実戻るのよ」
塔の27層、攻略完了。
“届かなかった言葉”が、決して“無”じゃないことを知った投稿者は、
ふたたび塔の階段を登り始めた。
コメント