ここは、“投稿爆死者のログ回廊”。
一見すると普通の塔の階層だが……
地面にはハッシュタグが散乱し、空にはリツイートが漂い、壁には数字を睨む投稿者の顔が無数に刻まれていた。
そして、その中央。
📱「#また俺だけ反応ゼロかよォォォ!!」
叫びとともにログインした男。
SNS戦術家、ハッシュ・タガー。
彼は今日も己の“投稿癖”と戦っていた。
目次
#寝る前の投稿はやめろって言っただろ
📱「#深夜1時投稿 #いいね0 #既読感ゼロ #でも消せない」
🧔♂️(あ、あのテンションで書いたやつか…)
💁♀️(“読んでくれてありがとう”のテンションだけ先に来てたやつね)
🤖「ピー助は予約投稿派でぴ」
📱「#予約投稿のクセに #朝も読まれてねぇ」
#拡散希望って拡散されてから書けや
ハッシュは投稿記録を振り返る。
- 「#今だから言えること」→言ってない
- 「#思わず泣いた話」→オチが“コーヒーこぼしただけ”
- 「#拡散希望」→読者数2(自分&bot)
📱「#俺が世界でいちばん自己完結型投稿してんじゃね?」
💁♀️「というか誰と戦ってんのよ」
🤖「過去の自分でぴ」
#通知が鳴ったと思ったら自分だった件
📱「#“いいね”されたと思ったら #自分が押してた」
🧔♂️「やったな、お前」
📱「#過去の俺が未来の俺を励ましてくるの #泣ける」
💁♀️「いや笑うわ」
それでも彼は、投稿をやめなかった
📱(俺の言葉なんて、誰にも届かないのかも)
📱(でも……)
彼は、スクショを開いた。
「なんか分かんないけど、これめっちゃ好き」
「ハッシュさんの言葉、いつも励まされてます」
「タグウザいけどクセになる」
📱「#届いてたのかよォォ!!」
投稿とは、誰にも届かない“と思ってた”あの日の自分へのDM
📱「#俺って、結局“伝えたくて”書いてたんじゃなくて
#“誰かが読んでる”って信じたくて書いてたんだな」
🧔♂️「……わかるよ、それ」
💁♀️「うるさいけど、たまに深いのよね、あんた」
🤖「語尾でバズったことあるのはピー助だけでぴ」
📱「#うるせぇでぴ」
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