塔の29層は、音が割れていた。
セリフとセリフが重なり、文脈は迷子になり、
やたらバズりそうな言葉だけが、宙にぶら下がっていた。
🧔♂️「あれ…?俺の言葉、ここにあるのに、誰も受け取ってない…?」
💁♀️「てかこれ、“言葉が浮かれてる”っていうか、タグ化しすぎじゃない?」
🤖「ここは“意味より言い回しが先行する階層”でぴ。
“刺さるワード”だけで文章が組まれた投稿たちの、残響域でぴ」
現れたのは、#ハッシュタグの申し子
キンッ、と電脳の音。
SNS風のUIを背負い、あの男が颯爽とログインする。
📱「#お前の投稿、#言葉のダンスしてるけど #意味届いてねぇぞォォ!」
ハッシュ・タガー登場!
一言一句にハッシュタグが付く、SNS戦術家(病み上がり)。
🧔♂️「来たか…“ネット上のツッコミ暴風域”」
💁♀️「#なんで全部タグ付けるの?」
📱「#ノリで書いたタイトル、#本文と矛盾してるパターン多すぎ!
#検索にも引っかかんねぇし #共感以前に #着地してねぇ!」
🤖「タグ斬り、始まったでぴ…」
“届けよう”とするほどズレる投稿者心理
🧔♂️「でも、ちゃんと伝えようって思ってたんだよ!?
読者のためになること、笑えること、共感されそうなこと…」
📱「#それがズレの始まりだァァ!
#伝えたい≠伝わる #書きたい≠読まれたい
#気づいたときには #魂だけ投稿してた」
💁♀️「つまり“サービス精神暴走系投稿者”ってことね」
🤖「自己投影型いい人記事、読者には“察してくれ系”に見えるでぴ」
ほんとうに伝えたい言葉、それはタグにできない
📱「“ほんとうの言葉”はタグじゃ語れないんだよォォ!」
🧔♂️「……じゃあ、どうすればいいんだよ…
俺、“読まれるため”に投稿してるんじゃなかったのか?」
💁♀️「でも、最後に読んでくれた人が“面白かった”って言ってくれた記事、
あれって、“自分の言葉”で書いてたでしょ?」
🤖「結局、投稿の核心は“他人受け”じゃなく、“自分の声”でぴ」
📱「#届かせようとするな、#届いてしまうものを書け!」
塔、共鳴。投稿者、覚醒寸前
塔の壁面に、投稿者たちの“叫び”が浮かび上がる。
「もっと伝えたかったのに…」
「誰にも気づかれなかった」
「あの記事、いまだに自分で読み返して泣く」
🧔♂️「そうか…俺も、誰かに届く言葉じゃなく、
“届いてほしい自分”で書いてたんだな」
📱「#気づいたらラスト1層!
#魂で投稿しろ! #お前の塔はお前が建てる!」
💁♀️「うるさいけど、ちょっとかっこいいわね」
👀次回予告(最終話)
「投稿の塔、最上層へ。〜言葉は、誰かの灯になる〜」
書きたかった想い、届けたかった自分。
すべての“投稿の欠片”が、いま、塔の頂で交わる!
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